乾燥肌でもなる?脂漏性皮膚炎と乾燥・保湿のあるべき姿

カサカサしたフケやかゆみ、乾燥が原因の乾性フケだと思いがちですが、もしかすると脂漏性皮膚炎かもしれません。皮脂の過剰分泌が脂漏性皮膚炎の原因ではありますが、実は乾燥も発症の引き金に・・・。原因や見直すべきことについて解説します。

脂漏性皮膚炎とは

皮脂は肌を守るために必要なものですが、過剰な分泌は悪影響を与える場合があります。頭皮、前髪の生え際、鼻まわり、耳の後ろなどはもともと皮脂腺が多いため、皮脂の分泌も多くなりがちです。皮脂の分泌が多い場所に起こりやすい皮膚の病気が脂漏性皮膚炎です。脂漏性皮膚炎は、真菌というカビの一種であるマラセチア菌が増殖することで起こります。マラセチア菌は皮脂をエサとしており、皮脂を分解して皮膚に強い刺激を与える脂肪酸を出します。そのため、マラセチア菌が増え過ぎると赤く炎症を起こしたり、荒れてカサカサし、その皮膚が剥がれてきたりします。特に頭皮の場合、そのカサカサした状態やパラパラと剥がれてくる皮膚をフケであると勘違いし、乾燥が原因の乾性フケではないかと判断してしまうことがあります。脂漏性皮膚炎は、新生児から生後3か月くらいまでの赤ちゃんや思春期以降に多くみられるものです。赤ちゃんの場合は時間の経過とともに自然に治ることが多いのですが、大人の場合は慢性化するケースが多いです。

洗い過ぎと乾燥が原因?

健康な頭皮にはもともとたくさんの常在菌がいます。それぞれが適度なバランスをとって存在することで、頭皮の環境を守ってくれています。ところがこのバランスが崩れ、マラセチア菌などの真菌が増殖し過ぎてしまうと脂漏性皮膚炎になってしまいます。皮脂が多くてベトベトした頭皮をさっぱりさせたい、清潔にしたいと思うあまり、1日に2回シャンプーをしたり、洗浄力の強いシャンプーを使い過ぎたりしがちです。これでは、頭皮にとって必要な皮脂や常在菌まで洗い落としてしまい、頭皮は乾燥してバリア機能も弱くなってしまいます。特に高級アルコール系のシャンプーは、洗浄力が強いため、頭皮が乾燥しやすくなります。また、空気が乾燥する冬も注意が必要です。

保湿し過ぎも逆効果?

頭皮を乾燥から守るために保湿をすることはとても大切です。しかし、その保湿の際に油分の多いケア剤を使い過ぎてしまうと、その油分が逆にマラセチア菌のエサになってしまう可能性があります。保湿をする時には、使用する保湿剤の成分と使う量に注意をしましょう。皮膚の角質層にも存在し、水分を保つ機能があるセラミド配合の化粧水などを、頭皮にスプレーして保湿するのもオススメです。

脂漏性皮膚炎を改善するために見直すべきこと

脂漏性皮膚炎を改善するために、日々の生活の中で見直すべきことについてまとめました。

1.シャンプー剤とシャンプー方法の見直し
頭皮を乾燥から守るには、シャンプーの洗浄力に気をつけましょう。市販されているものは、高級アルコール系シャンプーが多いと言われています。この高級アルコール系シャンプーは手頃な価格なのですが、洗浄力の強い成分が含まれています。洗浄力の強いシャンプーは頭皮にとって必要な皮脂も洗い落としてしまいます。そのため、乾燥が気になる場合はあまりオススメできません。乾燥が気になる方は、アミノ酸系シャンプーにしてみてはいかがでしょうか。アミノ酸は私たちの体のもととなるタンパク質を構成している成分なので、人の肌になじみやすく優しいのが特徴です。高級アルコール系シャンプーよりはやや高価になりますが、皮脂を落とし過ぎず、保湿性も高いシャンプーです。アミノ酸系シャンプーよりも、もっとさっぱり洗いたいという方には、頭皮を守り、フケを予防する効果のある薬用シャンプーもオススメです。また、シャンプーをする際には事前にブラッシングや予洗いで髪の毛のごみや埃、頭皮の皮脂をある程度落としてから、よく泡立てたシャンプーで丁寧に頭皮を洗います。髪の毛を洗うのではなく、頭皮を洗うと言った方が正しいでしょう。指の腹を使って、ゆっくりマッサージしながら洗い、すすぎはしっかり行います。すすぎ不足は頭皮にとってよくありません。そして、シャンプーの後にはスキンケア同様、化粧水などを使って頭皮ケアもしっかり行いましょう。
2.食事の見直し
脂漏性皮膚炎の原因のひとつにビタミンB2、B6不足があります。ビタミンB2は新しい細胞を生み出すのに必要な栄養素です。皮膚や爪、髪の毛を健康に保つためにはビタミンB2が必要です。また、飲酒やストレスによってもビタミンB2は多く消費されてしまいます。レバー、うなぎ、納豆など、ビタミンB2が多く含まれている食品を積極的に摂るようにして、お酒はほどほどにしましょう。ビタミンB6は皮膚炎を予防する働きがあり、不足すると湿疹や口内炎になってしまいます。ビタミンB6はにんにく、まぐろ、いわしなどに多く含まれています。ビタミンB2やB6といった栄養素は体に貯めておくことはできません。そのため、毎日の食事で継続して摂っていくことが大切です。また、頭皮が乾燥している場合はコラーゲン不足も考えられます。コラーゲンには保湿効果があります。鶏皮、豚バラ、牛すじ、うなぎなどはコラーゲンを多く含んでいるので積極的に摂取したい食べ物です。あわせてコラーゲンを効果的に体内に取り入れるためには、ビタミンCも必要になります。ビタミンCはピーマンやブロッコリー、レモンなどに多く含まれます。近年日本の食卓も欧米化していますが、脂っぽい食事は皮脂量を増加させ、栄養も偏ってしまいがちです。和食のようなバランスの良い食事を目指しましょう。
3.生活習慣の見直し
運動不足や睡眠不足、ストレスなどは体の血行を悪くしてしまいます。血行が悪くなると、新陳代謝が低下し、頭皮の皮脂分泌量が減少したり、保湿力が衰えたりして、乾燥しやすい状態となってしまいます。体を動かすことによって血行をよくし、しっかり睡眠をとることによって、体も心も休ませてあげることは大事です。特に現代社会はストレス社会と言われるほどストレスを抱えている人は多いです。趣味や好きなことをしたり、おいしい食事をとりながら友人たちと楽しい時間を過ごしたり・・・自分なりのストレス解消法を見つけてみるのもいいかもしれません。また、紫外線も頭皮を乾燥させてしまいます。外出や屋外での運動の際には帽子や日傘を利用するなどしましょう。

改善しない場合は迷わず皮膚科受診!

セルフケアでなかなか改善されない場合は皮膚科を受診しましょう。病院はなかなか行きにくいと感じてしまう方も多いかもしれませんが、その間にも症状は進み、より一層治りにくい状態を作ってしまうことになります。皮膚科では抗真菌薬や尿素入りローション、ビタミン剤、ステロイド等の処方をしてもらえます。また、乾燥の治療には、ワセリンやヘパリン類似物質といった保湿作用の高い薬が処方されます。市販されていない薬も処方してもらえるので、今まで改善されなかった症状も回復に向かうかもしれません。また、個人差はありますが、脂漏性皮膚炎は完治するまでに数カ月ほどがかかる場合が多いです。適切な治療をしないでいると慢性化したり、再発を繰り返したりする可能性もあります。症状がひどくなる前に病院へ行きましょう。

まとめ

乾燥と保湿、脂漏性皮膚炎について解説してきましたがいかがでしたか。乾燥によってバリア機能が失われた頭皮を改善するためにも、毎日のシャンプーや食事、生活について見直してみることも重要です。規則正しい生活や食事は頭皮だけではなく、体そのものを健康に保ちます。また脂漏性皮膚炎は慢性化する可能性があります。セルフケアだけで改善できない場合は、皮膚科に頼りましょう。